ランニングが習慣になってきて、10km程度の距離を走り切れるようになった方には、ランニングと並行して筋力トレーニングを行って、走るための筋力を強化することをお薦めします。
筋力トレーニングによる効果
・怪我、故障リスクの低減
ランニングの時の着地の衝撃は、体重の約3倍と言われています。体重50kgの人であれば、1歩で約150kg。ランニングの最中に数千回、数万回と足にこれだけの負担がかかっています。筋肉は、この衝撃をクッションのように吸収する働きをしています。ランニング初心者で筋力が十分に鍛えられていない方が無理をすると、足裏や膝、腰などを故障するリスクが高いのはそのためです。ランニングと並行して、走るのに必要な筋肉を鍛えることで、怪我、故障のリスクを低減することが出来ます。
・フォームの改善、走る効率の向上
特に腹筋背筋などの体幹、大殿筋や大腿四頭筋など、ランニングで使う大きな筋肉群を鍛えることにより、全身を使った無駄の少ない効率的な走り方をマスターすることが出来ます。
ランニングにおすすめの筋力トレーニング
ここでは、器具無しで簡単にできる、基本的な筋力トレーニングを紹介します。いずれも自宅で簡単に出来るトレーニングですので、テレビを見ながらや、リモートワークの休憩時間など、ちょっとした時間を使って試してみてください。
筋力トレーニング全般に言えることですが、身体のどの部分の筋肉を使っているか意識すると、より効果的に筋肉を鍛えることができます。
慣れてきた方は、回数を増やす、時間を増やす、ペットボトルなどのおもりを持つなどして、負荷を挙げてみてください。
ただし、くれぐれも無理はしないようにしてください。怪我をしてしまっては元も子もありません。
足腰を鍛える筋力トレーニング
スクワット お尻、太ももの筋肉を鍛えるトレーニング(大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス) →10-15回×3セット ・肩幅程度に足を拡げて背筋を伸ばして立ち、つま先を少しだけ外側に向けます ・膝がつま先よりも前に出ないように、しっかりと背筋を伸ばし、お尻を後ろに突き出すようにして下にゆっくり下ろします ・地面と太ももが平行になったら、そこで少し止めます ・膝が伸び切らない位置まで、お尻を上げてゆきます ・以下、繰り返し
スプリットスクワット 太ももの筋肉を鍛えるトレーニング(大腿四頭筋、ハムストリングス) →左右それぞれ10-15回×3セット ・肩幅程度に足を開いて、背筋を伸ばして立ちます ・片方の足をまっすぐ大きく前に出し、前の足に体重をかけます ・前足に体重をかけたまま、膝を曲げてゆっくりと腰を下ろしてゆきます ・後ろ足の膝が地面に着くくらいまで下ろしたら、今度はゆっくりと腰を上げます ・前の足の膝が伸びる位置まで戻します(足は前後に開いたまま) ・以下、繰り返し
スタンディングカーフレイズ
ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニング(腓腹筋、ヒラメ筋)
→10~30回×3セット
・肩幅よりも少し迫目に足を開き、背筋を伸ばして立ちます
・膝を伸ばしたまま、かかとを上げてつま先立ちになります
・つま先立ちの状態で、1秒程度停止します
・かかとが床にギリギリ付かない位置までゆっくりと下ろしてゆきます
・以上を繰り返します
体幹を鍛える筋力トレーニング
プランク 腹筋を中心に体幹を鍛えるトレーニング →30秒~自分の出来る時間×3セット ・足を伸ばしてうつぶせ寝の状態になります ・上半身を起こして、両手の肘~手首を床に付けて、体重を支えます。この時肘と肘の間は肩幅程度の広さにします。 ・最後に下半身を持ち上げ、肩、腰、足までが一直線になるようにします ・この状態で30秒~静止してください
クランチ 腹筋を鍛えるトレーニング(腹直筋) →10~15回×3セット ・床に仰向けに寝転がります(腰の下にクッションなど柔らかいものを置く) ・膝を90度曲げて、足を上げます ・両手をお腹の上に置きます(負荷を上げたい場合は、頭の後ろで組みます) ・息を吐きながら、腹筋意識しながら、上体を起こしてゆきます ・限界まで持ち上げたら息を吸いながらゆっくり上体を下ろします ・以下、繰り返し
ヒップリフト 背筋を中心に体幹を鍛えるトレーニング →15~20回×3セット ・仰向けに寝た状態から、膝を約90度に曲げて、膝を立てます ・肩、腰、膝が一直線になるところまで、腰をゆっくりと持ち上げます ・この状態で、1秒程度キープ ・腰をゆっくりと下ろし、元の状態に戻ります ・以下、繰り返し
以上、ランニングに効果のある筋力トレーニングを紹介しました。いずれも自宅で手軽にできる筋力トレーニングですので、隙間時間に是非試してみてください。